2018年12月26日水曜日

琴平町役場を訪問




今日は宇多津町の亀井副町長と一緒に琴平町役場を訪問。

片岡町長、大林副町長らに、四国水族館について紹介させてもらいました。


琴平町は香川県屈指の観光スポットの金毘羅宮がある町。


地域のにぎわい創出に繋がるように連携できるととても嬉しい思います。

2018年12月14日金曜日

ポリファーマシー対策はどこまで浸透しているのか!? ②

■薬剤総合評価調整管理料の算定状況

 算定状況の把握には、第3回NDBオープンデータを活用しました。同データは2016年4月~2017年3月が対象期間のため、薬剤総合評価調整管理料が評価項目として導入された直後1年間の状況が集計されています。

 まず日本全体の100床あたりの年間算定回数は平均1.3回という結果でした。都道府県別では、最も多かったのが埼玉県で2.8回、逆に最も少なかったのが岩手県で0.3回です。

 都道府県間で数倍の差があることもポイントにはなりますが、それ以上に注目したいのが、年間算定回数の全国平均が100床あたり1.3回しかなかったということです。500床の大規模病院であっても、2ヶ月に1回程度しか算定がなかったことになります。
 ポリファーマシー対策の評価として新設されたものの、少なくとも導入直後1年間においては、6剤以上の薬剤を服用する患者数に対して、決して十分な取り組みが出来たとは言えない実態が見えてきます。



薬剤総合評価調整加算



■流れは変わりつつある?

 高齢者の医療需要が増加する中で、ポリファーマシー対策の必要性が高まり、さらにインセンティブとして設定されたものの、臨床現場の事情もあって現実の壁は高かったのかもしれません。

 とはいえ、その流れも徐々に変わりつつあるように思います。
 あくまで筆者が確認している限りですが、病院のデータを分析していると、2016~2017年度にかけて、薬剤総合評価調整加算をまったく算定していなかった病院であっても、2018年度に入って以降、回数こそ多くはありませんが、ポツポツと算定するケースを見かけるようになりました。

 要因の1つとしては、ポリファーマシー対策、評価項目への理解が、医療現場に浸透してきたことが考えられます。医療機関を訪問して先生方と会話する中で、1~2年前と異なり、ポリファーマシー対策への機運が少しずつ高まっていることを実感しています。
 
 また2108年度の診療報酬改定では、これまで包括評価だった地域包括ケア病棟入院料で、薬剤総合評価調整加算を出来高算定できるようになった影響も考えられます。地域包括ケア病棟は高齢者による入院が多くを占める傾向があるため、同病棟を持つ医療機関にとっては算定対象、算定機会が必然的に増加しています。

 いずれにしても、ポリファーマシー対策は医薬品の適正使用のために必要なことであり、遅かれ早かれ進展していくものと考えています。病院としていかに取り組むか、今後の課題の1つになっていくのではないでしょうか。


前回記事:ポリファーマシー対策はどこまで浸透しているのか!? ①

2018年12月6日木曜日

正念場を迎える急性期病院の機能強化策と経営戦略・戦術(パートⅡ)

先日のHMS主催セミナーで登壇させていただきましたが、大好評につき(?)、

正念場を迎える急性期病院の経営戦略・戦術セミナー(パートⅡ)
「正念場を迎える急性期病院の機能強化策と経営戦略・戦術」
~地域医療構想の推進で過去、質より量で拡大したDPC病院のあり方に終焉を告げ、
地域のニーズや機能に応じた病床再編を余儀なくされる2025年改革シナリオの総仕上げとは~

という、前回と同じほぼタイトルで来年2月24日に再び登壇させていただくことになりました。今回も㈱MMオフィス工藤高代表とコラボしてお届けいたします。

午後は同じ会場で、
重症度、医療・看護必要度の科学的分析とマネジメント実践セミナー
「病院経営を左右する重症度、医療・看護必要度の科学的分析と効果的なマネジメント手法の展開」
が開催されます。講師は午前に引き続き㈱MMオフィス工藤高代表と看護師&コンサルタントの上村久子先生です。

2月24日は、そんな終日受講も可能な形で企画されています。

詳しくは下記URLをご覧ください。

2018年12月2日日曜日

「宍道湖自然館ゴビウス」と「しまね海洋館アクアス」をハシゴ

久しぶりに週末を島根で過ごすことに。

せっかくなので、宍道湖自然館ゴビウスとしまね海洋館アクアスをハシゴしてきました。

ゴビウスは淡水魚中心で派手さはありませんが、見応えは十分過ぎるほどありました。

カップルとファミリーに囲まれながら、一人でシロイルカパフォーマンスを観る。

そんな中年男の1日。







2018年11月28日水曜日

ポリファーマシー対策はどこまで浸透しているのか!? ①

 高齢化が急速に進展する中で、ポリファーマシー(多剤投与)対策が求められています。

 代謝機能の低下、体成分組成の変化等が生じる高齢者では、合併症に伴い服用薬剤数が増えることで、副作用の増強や薬物間相互作用の発現リスクが高まります。また服用薬剤数が増加するほど、服薬アドヒアランスが低下する傾向もあり、医薬品の適正使用推進のためにも、重複投薬を含めた不適切な多剤投与を減らすことが必要です。

■ポリファーマシー対策の診療報酬による評価

 診療報酬では、ポリファーマシー対策への評価として、2016年改定で新設された「A250 薬剤総合評価調整加算」、「B008-2 薬剤総合評価調整管理料」があります。
 薬剤総合評価調整加算は入院患者を対象に、薬剤総合評価調整管理料は外来患者を対象に、いずれも内服を開始して4週間以上経過した内服薬が6種類以上処方されているものについて、内服薬の種類数が2種類以上減少し、その状態が4週間以上継続するが見込まれる場合に250点を算定できます。





 両項目とも、2016年度診療報酬改定で新設されましたが、評価項目こそ設定されたものの、医療機関で話を聞くと「他の医師の処方は変更しづらい」「患者が薬を減らすことを嫌がる」「医師への処方提案が難しい」といった声が上がってきます。

 では実際にどの程度算定されているのか。今回は、薬剤総合評価調整加算の100床あたりの算定回数を指標に、ポリファーマシー対策への取り組み状況を検証します。





2018年11月15日木曜日

鳥取県ダブルヘッター(鳥取県のデータから考える病院の戦略・戦術)

今日も元気に鳥取県中西部ダブルヘッター٩( 'ω' )و

まずは倉吉で熱血講演。120分1本勝負。

お題は「鳥取県のデータから考える病院の戦略・戦術」



そして夜は鳥取中部医療圏から西部医療圏に移動。

某病院の友人と合流し、米子の街を堪能しましたとさ。


2018年11月1日木曜日

外来EFファイルに見る現状の課題と今後への期待

傷病や患者背景に関する情報がデータに加わったことで、外来分析の幅は大きく広がっていきます。
例えば、外来に通院する患者のうち、糖尿病を罹患している方が何人いるか、さらに糖尿病合併症管理料の対象となる足潰瘍、足趾・下肢切断既往、閉塞性動脈硬化症、糖尿病神経障害に該当する方が何人いるか、といった情報が具体的に把握でき、実際にどの程度の方に介入できているか、算定できているかといったところまで見えるようになります。性別や年齢だけでなく、診療科、医師に関する情報もあるため、どこに、どの程度いるかといった、もう1歩深堀した検証も可能になります。

 しかし現状の外来データは、入院データ(様式1、D,E,Fファイル)と比較して精度の不十分さを否めません。
レセプト病名や治療が終了したはず傷病がそのまま消されずに残っているなど、分析を行うにあたってのデータの精度がまだまだ十分な医療機関が多いことと思います。実際にいくつかの医療機関の外来データを検証したところ、前述したようなケースや主傷病が10疾患以上あるケース、主傷病以外の傷病数が3040疾患を超えるようなケースが散見されました。とは言え、多少の課題こそ残しているものの、外来データに傷病等の記録が加わったことで、分析の幅が広がったことは間違いありません。データ精度についても、DPCデータのように、保険診療係数のような診療報酬等の誘導も使いながら、徐々に精度が上がっていくものと期待されます。
またデータ量の多さも外来分析のハードルを上げる一因でしたが、新たに傷病レコードが加わったことで更にデータ量が増えた形となっています。この点も課題と1つと言えるでしょう。

外来データによる分析手法や有効活用の事例は、これから少しずつ目にする機会が増えていくのではないでしょうか。
これまでも入院データと外来データを紐づけることで、治療を外来→入院→外来の一連の流れとして検証することはありました。さらに4月以降の情報の増えた外来データや院内で独自に作成する地域連携に関する情報を加えていくことで、患者の流れ、医療提供の流れを「見える化」をすることが可能になってきます。他のデータを紐づけた分析については、また別の機会にお伝えしたいと思います。

関連記事:外来EFファイルの入力規則変更で何が変わるか!?

2018年10月31日水曜日

外来EFファイルの入力規則変更で何が変わるか!?

平成30年度「DPC導入の影響評価に係る調査」では、外来統合EFファイル(以下、外来データ)の入力規則について、表の5点が変更になりました。
外来データには、外来患者の医科点数表に基づいた出来高情報が入力されており、DPC対象病院、データ提出加算2の届出を行っている医療機関が作成しています。
外来データそのものは従来から作成、提出されてきましたが、あくまで出来高レセプト情報であり、外来データ単独でわかることは「患者Aさんが、×月×日に外来を受診して、△△△を算定した、薬Bを×日分処方した」「□□□指導料を×月に×件算定した」といった程度で、それ以上の情報は見えづらいものになっていました。
今回の入力規則の変更で、性別、年齢、傷病といった患者情報が含まれるようになった点は、データ分析の観点からは非常に大きな変更点と言えます。





 変更点を簡単に解説すると、まず傷病情報はそれぞれ傷病ごとにレコードとして追加されることになりました。このデータにより、各患者の傷病(主傷病と主傷病以外、診療開始日)を把握できるになりました。年齢に関する情報は、これまでゼロを入力していた退院年月日のフィールドを生年月日に変更したことで、性別、転帰、主傷病に関する情報は、12桁の数字で構成される行為明細区分情報に盛り込まれるようになりました。行為明細区分情報は、これまで1桁目に院外処方区分(処方した薬剤が院外処方か院内処方か)、2桁目に一般名処方区分(院外処方の薬剤が一般名処方か一般名処方以外か)の情報が入り、3桁目以降は予備の扱いとなっていました。今回より46桁目には、性別、転帰、主傷病か否かの情報を入力することが求められるようになりました。712桁目は引き続き予備となり、将来別の情報を盛り込む枠を残す形となっています。

関連記事:外来EFファイルに見る現状の課題と今後への期待


2018年10月20日土曜日

正念場を迎える急性期病院の機能強化策と経営戦略・戦術

~地域医療構想の推進で過去、質より量で拡大したDPC病院のあり方に終焉を告げ、地域のニーズや機能に応じた病床再編を余儀なくされる2025年改革シナリオの総仕上げとは~
というテーマで、11月11日(日)のHMS主催セミナーに日経ヘルスケア等の連載でもお馴染みの(株)MMオフィスの工藤高代表とタッグで登壇させていただきます。期待に応えられるよう、最新データ中心の資料を準備して臨みたいと思います。
詳しくは下記URLをご覧ください。


2018年10月13日土曜日

佐賀県診療情報管理懇話会で登壇

佐賀県診療情報管理懇話会で登壇いたしました。

効率性係数が全国最下位の佐賀県で、効率性係数を熱く語る!




今回、聞き手は診療情報管理士の方が中心でしたので、

データ分析を基に院内に何を、どのように提案していくか、

戦略的な話から、院内提案の細かいテクニカル論まで、

私の偏った?経験則も含めながら熱弁させてもらいました。



2018年10月7日日曜日

中央大学ビジネススクールで講演しました

今宵は中央大学ビジネススクール(CBS)で講演させていただきました。

国内MBAを出た10年後の未来がどうなるか、
キャリアモデルが少ない中で不安を感じていた自分自身の10年前。
標準的なモデルではないかもしれませんが、
1つの事例として現役の皆様にとって少しでも参考になれば嬉しいです。

テンションが上がり過ぎて、
トークが10分近く超過してしまったことは猛省しております。


2018年10月4日木曜日

ハワイ大学でヘルスケアマネジメントプログラムを研修しています ⑤

研修最終日。

午前はSt.Francisでホスピスケアについて学び、
午後はハワイ大学に戻って、
米国のヘルスケアシステムについて受講。
最後は修了証をいただき、全日程が無事終了しました。

繰り返し申し上げますが、
ちゃんと真面目に勉強してきました。

明日、帰国します。

























関連:ハワイ大学でヘルスケアマネジメントプログラムを研修しています     

2018年10月3日水曜日

ハワイ大学でヘルスケアマネジメントプログラムを研修しています ④

賃貸型の高齢者住宅 Hawaii Kai Retirement Community、
リハビリテーション病院のRehabilitation Hospital of Pacific(REHAB)を見学し、
これらの施設の運営に関する講義を受ける。
Bundled paymentによる支払いの仕組み、考え方への理解が少なからず進みました。

関係者間の利害調整の難しさを考えると、
理想と現実の乖離が実際にどこまであるのか疑問は残ります。

垂直統合による医療機関の再編が進めば効果的な結果を生むかもしれませんが、
現状の日本でそれは不可能に近いこと。
未来も含めた興味は尽きません。























関連:ハワイ大学でヘルスケアマネジメントプログラムを研修しています     

2018年10月2日火曜日

ハワイ大学でヘルスケアマネジメントプログラムを研修しています ③

午前はKaukini Health Systemで講義を受け、
Medical Centerを見学。Kaukini Medical Centerはかつての日本慈善病院。
身寄りのない移民1世を支えた歴史も学んできました。

午後はPali Momi Medical Centerへ。

Pali Momiでは講義に加え、
Cancer Center、Women's Centerを見学しました。
























関連:ハワイ大学でヘルスケアマネジメントプログラムを研修しています     

2018年9月29日土曜日

ハワイ大学でヘルスケアマネジメントプログラムを研修しています ②

研修3日目が終了。

ここまで米国保険制度の課題や最近の動向、医療マーケティングの講義に加え、
Straub clinic & hospital、Castle medical center、
Arcadia retirement residence等を見学。

浮かれることなく、知識の習得&更新に励んでおります。

今晩は〆切迫る通常業務のタスクのため、ホテルに缶詰め。
とはいえ、
密かな楽しみだった数年ぶりワイキキビーチ沿いのジョギングはしっかり満喫。

精進あるのみです。
























関連:ハワイ大学でヘルスケアマネジメントプログラムを研修しています     

2018年9月27日木曜日

ハワイ大学でヘルスケアマネジメントプログラムを研修しています ①

ハワイ大学でHealthcare Management Programを、
今週、来週と受講しています。

日中は講義と施設見学があるので、
決してワイキキビーチで波に浮いて、浮かれるようなことはありません。











































関連:ハワイ大学でヘルスケアマネジメントプログラムを研修しています     

2018年9月12日水曜日

日本大学薬学部の非常勤講師に

今年度から日本大学の非常勤講師になりました。
担当科目名は「経営戦略論」。
薬学部の特色教育の1つとして本日より開講です。

あの流石が薬学部で授業をするという凄い時代の到来です
授業形式も含め、視野が狭くなりがちな薬学生の視点に、
少しでも風穴を開けられたらと考えています。

決して基礎薬学や臨床薬学を講義することはありませんのでご安心下さい。


2018年8月30日木曜日

複雑性係数を上げることは出来るのか!? ②

■複雑性指数を上げる(下げる)診断群分類

 図は、主要診断群(MDC2桁コード)別に、それぞれの1入院あたり日当点、入院期間Ⅱの加重平均値を求め、バブルチャートで表現したものです。バブルの大きさは、DPC病院における症例数を意味しています。そのため、図中の右側にある主要診断群の入院症例が多いほど、複雑性指数は上がることになります。

 主要診断群別に考えると、血液・造血器・免疫臓器の疾患、神経系疾患、筋骨格系疾患、呼吸器系疾患が多くなると複雑性指数が上がり、眼科系疾患、小児疾患、耳鼻咽喉系疾患の症例が多くなると、複雑性指数が低下します。

 主要診断群が同じであっても、診断群分類ごとに見ると1入院あたりの日当点は様々です。症例数を加味した、入院期間Ⅱまでの日当点の累積点数の加重平均値は1入院あたり3万点です。診断群分類ごとに考える際は、複雑性指数にプラスの影響を与えるか、マイナスの影響を与えるかは3万点が1つの目安になります。




















■テクニカルな取り組みは非現実的

 複雑性係数は疾患構成の評価です。そのため複雑性係数を上げようとすると、診療科の編成を変える(血液内科、神経内科を拡大し、小児科、眼科を縮小するなど)、入院期間Ⅱの設定が短い診断群分類の症例の入院を抑える(もしくは設定の長い症例を増やす)といったことになり、テクニカルに取り組むには結局のところ現実的ではありません。そのため、複雑性係数の相対的なポジションは、年度間であまり大きくは変わらないことが一般的です。

 しかし、一部の病院では相対的なポジションが大きく動くことがあります。これはどういうことでしょうか。

例えば、DPC病床数が小規模の病院の場合、年間12症例以上になる診断群分類がそもそも少ないため、プラス(マイナス)に働く診断群分類の件数が例年に比べて多かった、年間12症例に達する診断群分類が多かった(少なかった)といったことで、指数が大きく変動します。これが大規模病院になると、多少の変化があっても全体では薄まってしまうため、結局大きな変動は起きづらくなります。

前回:複雑性係数を上げることは出来るのか!? ①http://sasugamanabu.blogspot.com/2017/10/dpc.html








2018年8月15日水曜日

複雑性係数を上げることは出来るのか!? ①


 2018年620日の中医協総会において、平成30年度の医療機関別の機能評価係数Ⅱの内訳が公表されました。

 今改定では後発医薬品係数、重症度係数が廃止となり、暫定調整係数の廃止に伴う財源の置換えが完了しました。その結果、機能評価係数Ⅱを構成する6つの係数は平均値がいずれも約2倍になり、医療機関の係数差も2倍に広がりました。そうした影響もあってか、ここ最近で「どうすれば複雑性係数が上がるか?」「〇〇病院の複雑性係数が大きく上がったがなぜか?」といった質問を複数の病院から受けることがありました。
 
 平成30年度で複雑性係数の最も高い値は、大学病院本院群0.02648、DPC特定病院群0.03791、DPC標準病院群0.03688で、最も低い値はいずれの群もゼロとなっています。

そこで今回は、複雑性係数の評価方法から、係数が変動する要因を検証していきます。














中医協総会資料


■複雑性指数の評価方法
 複雑性係数は、1 入院当たり医療資源投入の観点から見た患者構成への評価したもので、下記が複雑性係数を評価する複雑性指数の求め方になります。

〔当該医療機関の包括範囲出来高点数(一入院当たり)を、DPC(診断群類)ごとに全病院の平均包括範囲出来高点数に置換えた点数〕÷〔全病院の平均一入院あたり包括点数〕

 ただしすべての診断群分類が評価対象にはならず、包括評価の対象で、かつ当該医療機関において前々年10月から前年9月までの期間に12症例以上の診断群分類が計算対象です。

 効率性指数は自院の患者構成を、全病院の患者構成に置き換えて求めますが、複雑性指数では、患者構成はそのまま1入院あたりの包括範囲出来高点数を全病院の平均包括範囲出来高点数に置換えることとなります。
平均的な医療資源投入量を包括的に評価した定額報酬を設定するというDPC制度の前提を考えると、全病院の平均包括範囲出来高点数は、入院期間Ⅱの最大日数まで入院した場合の日当点の累積点数(1入院あたり日当点)と考えることが出来ます。

これらのことから、1入院あたり日当点の高い診断群分類の患者数(割合)が多く、かつ1入院あたり日当点の低い診断群分類の患者数(割合)が少ないと、複雑性係数は高くなると言えます。














中医協総会資料





2018年6月30日土曜日

インプットに集中した3日間



金沢→富山→東京の流れで、久しぶりにインプットに集中した3日間。

勉強だけでなく、再会と新しい出会いもありました。

写真は廣貫堂資料館。

日本の薬業史を語る上で外すことの出来ない富山の配置薬。
念願叶い、今回やっと見学することが出来ました。

薬を担いでいるかいないかの違いだけで、
江戸時代の薬商人のライフスタイルと
私のライフスタイルはそんなに違いがないようです。

そして国内の医薬品生産金額は、
今も富山が国内トップであることは、
その後の東京で知りました。
学習は繋がりが大切ですね。

明日からは再びアウトプットに勤しみます。

【2018年度診療報酬改定】DPC/PDPSに関する改定の影響


2018年度診療報酬改定において、DPCPDPSはこれまでの改定と同様、直近の診療実績データ等を用いた診断群分類点数表の見直しが行われています。
診断群分類ごとの入院期間、日当点の見直しは、マイナーチェンジとはいえ入院収益に直結するものであり、またベッドコントロールの目安の変更に繋がることも多いため、決して軽い問題ではありません。
そこで今回は件数の多い診断群分類(俗に言うメジャーコード)を取り上げ、2016年制度と比較してどのような傾向が生じているかを検証していきます。

まず平成28年度の「退院患者調査」の結果より、DPC対象病院の症例件数の上位50診断群分類(短期滞在手術等基本料3の対象になる診断群分類を除く)を分析対象に、今回の改定の影響を確認しました。
まず入院期間は、分析対象の40%にあたる20分類において入院期間Ⅱの日数設定に変更がありました。内訳は日数の延長が1分類、短縮が18分類です。また短縮した日数は、3日が1分類、2日が3分類、1日が14分類となっています。入院期間Ⅱの設定変更を見るだけでも、DPC対象病院の平均在院日数がより短縮する傾向にあることがわかります。メジャーコードは在院日数の短縮を評価する効率性係数に与える影響も大きいため、各医療機関の取り組みが、入院期間Ⅱの短縮に繋がっているものと言えます。

日当点の変更による収益への影響はどうでしょうか。
次に収益シミュレーションとして、医療機関別係数が新旧制度ともに「1.000」、かつ2016年制度の入院期間Ⅱの最大日数まで入院した場合の増減収の状況を検証しました。
 分析対象の50分類を前述の条件に当てはめると、増収が22分類、減収が28分類となり、減収する診断群分類の方がやや多くなります。増減収率の平均値は▲0.3%、中央値は▲0.4%でした。但し診断群分類ごとの増減収率の差は大きく、+5%以上の増収になる診断群分類(てんかん、前腕の骨折などの診断群分類)がある一方で、逆に▲5%を超える減収になる診断群分類(頻脈性不整脈、狭心症などの診断群分類)もあり、医療機関の疾患構成によって影響度合いは異なりそうです。



これらの結果からも、全体的には診断群分類点数表は厳しい変更になっていることがわかります。とは言え、DPC対象病院にとって今回の改定が向かい風かというそうではありません。
機能評価係数は全体的に上がっているからです。例えば、機能評価係数Ⅰの項目である感染防止対策加算1を見ると、2016年制度では入院初日に400点(出来高算定の場合)の算定でしたが、2018年改定で390点に下げられました。しかし機能評価係数Ⅰでは、0.0122から0.0135に係数が引き上げられており、出来高の診療報酬とは逆の動きをしています。
また機能評価係数Ⅱも全体的に上がっています。DPC標準病院群では、暫定調整係数、激変緩和係数を差し引いても、平均で+0.0095アップしました。
機能評価係数Ⅱに関して述べると、今回の改定で暫定調整係数の財源が機能評価係数Ⅱに割り当てられたこと、さらに後発医薬品係数、重症度係数が廃止なったことで、6つの係数の平均値はいずれも約2倍になりました。別の見方をすると、各係数のトップとボトムの差も2倍に開き、病院間の差がつきやすくなったとも言えます。

これまでもDPC対象病院は、機能評価係数をいかに上げるかが経営上の重要な課題であると言われてきました。入院収益のベースとなる診断群分類ごとの入院期間、日当点を厳しくする一方で、機能評価係数の重要性がより一層増していることが見えてきます。

2018年6月26日火曜日

四国水族館の起工式を執り行いました

本日、四国水族館の起工式を執り行いました。



「四国最大級の水族館を作ろう!」と
友人から誘われて参画した四国水族館プロジェクト。

携わってから4年2ヶ月。
1つの大きな節目を迎えることができました。

やっとここまで辿り着いたというのが素直な気持ちです。

宇多津町をはじめとする行政、関係企業、金融機関、投資家、地元有志の皆様には、
多大なご支援、ご協力をいただき、心より御礼申し上げます。

来月よりいよいよ本格的な建設工事の着工です。

当日のニュースは
https://youtu.be/MBada16qqSQ
でご覧になれます。

【参考】
四国水族館開発プレスリリース①:四国水族館 起工式を執り行いました。
四国水族館開発プレスリリース②:「四国水族館」施設建築等 工事着工について 





2018年5月30日水曜日

【2018年度診療報酬改定】短手3はDPC病棟、地域包括ケア病棟のどちらへの入院が収益上で有利か!? ②

■医療機関別係数が低い病院は減収する

 短手3 (K7211)のDPC制度の日数(日当点)設定は、入院期間Ⅰ:1日(3,959点)、入院期間Ⅱ:2日(2,156点)、入院期間Ⅲ:30日(1,944点)です。一方、地域包括ケア病棟では検証条件の場合、14日目まで1日あたり3,338点となります。1日ごとの日当点を比較すると、入院初日こそDPC病棟の方が点数が高くなりますが、入院期間Ⅱ以降は医療機関別係数、出来高算定を考慮しても、多くの場合で地域包括ケア病棟の方が収益上は有利になります。
 
 短手3 (K7211)は、在院日数2日で退院することが一般的です。しかし在院日数2日の場合では、医療機関別係数が1.50のケース以外は減収になります。そのため服薬指導等の出来高算定を含めても、医療機関別係数が小さい病院では、減収することが見込まれます。
どちらの病棟に入院する方が良いのかという議論は、少なくとも収益上からは、入院2日目までは、地域包括ケア病棟よりもDPC病棟の方が有利になることがわかります。但し、医療機関別係数1.20の場合、在院日数3日以上になると地域包括ケア病棟の方が高くなります。



■診断群分類ごとの検証が必要

 短手3 (K7211)は前述の結果となりましたが、診断群分類ごとの期間、日当点の設定や医療機関別係数によって結果は異なってきます。日当点の設定が低い診断群分類では、地域包括ケア病棟の方が有利になるケースも見受けられます。また今回の検証はあくまで数字だけのもので診療体制等を無視した議論となっていますが、どちらに入院させる方が良いのか、病院ごとの実状も踏まえながら個別に検証することをおすすめします。

 また当記事を作成した時点において、短手3に該当する診断群分類が、機能評価係数Ⅱの評価対象になるか明らかになっていません。今回取り上げた短手3 (K7211)は、全国的な症例数の多い診断群分類です。そのため評価対象に含まれると、効率性係数に大きな影響を与えます。病床稼働維持のためや、対前制度で増収からと在院日数を延ばすと、来年度以降の効率性係数に大きなダメージを与える可能性があることも忘れてはいけません。


前回:【2018年度診療報酬改定】短手3はDPC病棟、地域包括ケア病棟のどちらへの入院が収益上で有利か!? ①



2018年5月15日火曜日

【2018年度診療報酬改定】短手3はDPC病棟、地域包括ケア病棟のどちらへの入院が収益上で有利か!? ①

 今改定において、DPC制度の見直しは入院料の評価体系とは異なり、抜本的な変更はありませんでした。しかし、短期滞在手術等基本料の見直しはまだ明確になっていない点があるといえ、今後の病床管理に影響を与える要因となりそうです。

■短手3の算定ルール見直し

 短期滞在手術等基本料の見直しにより、DPC病床を有する病院では、DPC制度による包括評価が優先され、短期滞在手術等基本料3(以下、短手3)を算定できないことになりました。従来制度ではどの病棟に入院しても短手3による算定でしたが、今後DPC対象病院ではこのルールが適用されなくなります。

 そこで疑問として湧くのが、DPC病棟と地域包括ケア病棟の両方を有する医療機関では、どちらの病棟に入院させることがベターかといった点です。特にプライマリー機能を持つ200床未満の病院では、地域包括ケア病棟で従来を上回る評価の施設基準が新設されました。

 今回は、短手3の対象である「K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満)」(以下、短手3 (K7211))を取り上げ、DPCと地域包括ケア、どちらの病棟での受入れる方が有利か検証します。

【分析対象】
診断群分類番号:060100xx01xx0x
診断群分類名称:小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 副傷病なし
手術:K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満)

【検証方法】
 2016年制度の短手3 (K7211)の点数14,314点を比較対象に、DPC病棟では医療機関別係数1.20、1.35、1.50の3パターンで検証します。DPC制度における出来高算定は当社の保有するデータを参考に5,500点とします。地域包括ケア病棟の点数は、地域包括ケア病棟入院料1、看護職員配置加算、看護補助者配置加算、在宅患者支援病床初期加算を算定した場合で計算します。いずれも新制度の点数を用い、転棟はしないものとします。



次回:【2018年度診療報酬改定】短手3はDPC病棟、地域包括ケア病棟のどちらへの入院が収益上で有利か!? ②


2018年2月28日水曜日

高齢化率と湿布薬の処方量の関係 ②

■年間処方枚数に2倍以上の地域差

 図は、湿布薬の人口1人あたり年間処方枚数と高齢化率の関係を、都道府県ごとにプロットしたグラフです。

 まず、人口1人あたりの年間処方枚数を見ると、最も多かったのが秋田で年間60枚弱が処方されていました。逆に処方枚数の少ない神奈川、東京、埼玉は年間30枚未満と、秋田と比較して約2倍の差があります。

 また高齢化率が高くなるほど、年間処方枚数は増加する傾向があることもわかります。とはいえ、高齢化率が同程度であっても地域差は存在しているようです。例えば、徳島、愛媛と岩手を比較すると、いずれも高齢化率は30~31%ですが、岩手の33枚に対して、前者の2県は55枚と、年間の処方枚数には1.7倍の差があります。



















湿布薬の人口1人あたり年間処方枚数と高齢化率の関係


■医薬品の適正使用に向けて

 処方枚数の制限が入り、以前ほど発生していないと思われますが、湿布薬は残薬になりやすい薬剤の1つです。毎回のように処方はされるものの、自宅に湿布薬が積み上がっているというケースは頻繁に耳にします。

 今回検証した湿布薬はあくまで一例でしかありませんが、少なくとも湿布薬の年間処方枚数に地域差があること、また高齢者の割合が増加に伴い、湿布薬の処方枚数が増加することがわかりました。当然ながら処方枚数の多い地域では、残薬が発生している可能性も高くなってきます。

 医薬品の適正使用に向けて、服薬情報をいかに的確に把握するかは引き続きの課題です。患者とのコミュニケーションが図りやすく、一元的な服薬管理を求める「かかりつけ」機能に加え、医療機関と保険薬局のコミュニケーションもまた、残薬解消、適正使用に向けて効果的です。次期改定においても、調剤後の服薬状況に関する継続的な把握、情報共有に対して評価する案が出ています。

 2025年に向けて地域包括ケアシステムが構築されていく中で、医薬品の適正使用もまた推進されていくことが期待されます。


前回:高齢化率と湿布薬の処方量の関係 ①

2018年2月15日木曜日

高齢化率と湿布薬の処方量の関係 ①

 次期改定に向けて、「医薬品の適正使用の推進」が論点の1つに挙げられています。医師・薬剤師の協力による取り組みを進めて、長期投薬等による残薬、不適切な重複投薬、多剤投薬等の削減を推進することが基本方針です。

 医療費抑制のために後発医薬品の使用促進に向けた施策は引き続きとなりますが、DPC制度の後発医薬品係数や一般名処方加算等により、使用割合80%の数値シェア目標の実現が見えてきた中で、処方薬の単価を下げる取り組みから、そもそもの量を減らす取り組みにシフトしつつあります。ポリファーマシーの概念も普及しつつあり、高齢者が増加する中で、財政的な問題だけでなく、医療の質の観点からも薬剤を減らそうという気運が高まってきました。

 さらに前回の改定においては薬剤総合評価調整加算・調整管理料が新設され、処方薬を減らすことにインセンティブがつくようになりました。しかし、当社の保有する医療機関のデータを見る限りでは、同加算、管理料が算定されているケースは非常に少なく、当初の想定から考えると、実態としてあまり功を奏していないように見受けられます。

 そこで今回は「量」と言う視点で、前回の改定で適正給付の観点から処方の取り扱いが見直された湿布薬を題材に取り上げ、第2回NDBオープンデータを使用して処方量に関する地域差と高齢化率の関係について検証しました。
 ここで述べる湿布薬は、薬効分類上で「鎮痛、鎮痒、収斂、消炎剤」に該当する貼付剤とします。なお、同データの対象期間は平成27年4月~平成28年3月の診療分となるため、湿布薬の処方枚数の制限が入る前のデータとなることをご留意ください。












中医協資料






平成28年度診療報酬改定で、湿布薬は1処方あたり70枚までに制限。




2018年1月9日火曜日

新社会システム総合研究所のセミナー 「2018年度 薬価・調剤報酬改定の全容と対策」

1月25日の新社会システム総合研究所のセミナー
「2018年度 薬価・調剤報酬改定の全容と対策」
で登壇させていただきます。

公益社団法人日本薬剤師会 相談役 漆畑稔氏
株式会社船井総合研究所 チーフ経営コンサルタント 清水洋一氏
と私の3名が話します。

私は「花」ではない「つなぎ」の2区で、

タイトル「2018年改定に向けた医療機関の動向と保険薬局に求められる役割」

地域包括ケアシステムが進展する中で、保険薬局に求められる業務は、
従来のような処方箋をもらって薬を渡すまでの単一薬局内で完結する形から、
医療機関や在宅が繋がった連続性のある業務へと変化することが考えられます。
同時に病院薬剤師の業務も変化しており、病院側が保険薬局に求める役割も変化しつつあります。
本講義では調剤報酬改定だけでなく、医科の改定や病院薬剤師の業務変化が及ぼす影響より、
これからの薬局薬剤師に求められる役割を検討していきます。

1.薬剤関連の診療報酬改定の動向
2.病院、病院薬剤師にいま何が起きているのか
3.医療機関の動きと保険薬局への影響
4.医療の質の向上にいかに貢献するか
5.時代が保険薬局に期待すること

といった内容で話させてもらう予定です。

詳しくは↓で
http://www.ssk21.co.jp/seminar/S_18026.html