2018年11月28日水曜日

ポリファーマシー対策はどこまで浸透しているのか!? ①

 高齢化が急速に進展する中で、ポリファーマシー(多剤投与)対策が求められています。

 代謝機能の低下、体成分組成の変化等が生じる高齢者では、合併症に伴い服用薬剤数が増えることで、副作用の増強や薬物間相互作用の発現リスクが高まります。また服用薬剤数が増加するほど、服薬アドヒアランスが低下する傾向もあり、医薬品の適正使用推進のためにも、重複投薬を含めた不適切な多剤投与を減らすことが必要です。

■ポリファーマシー対策の診療報酬による評価

 診療報酬では、ポリファーマシー対策への評価として、2016年改定で新設された「A250 薬剤総合評価調整加算」、「B008-2 薬剤総合評価調整管理料」があります。
 薬剤総合評価調整加算は入院患者を対象に、薬剤総合評価調整管理料は外来患者を対象に、いずれも内服を開始して4週間以上経過した内服薬が6種類以上処方されているものについて、内服薬の種類数が2種類以上減少し、その状態が4週間以上継続するが見込まれる場合に250点を算定できます。





 両項目とも、2016年度診療報酬改定で新設されましたが、評価項目こそ設定されたものの、医療機関で話を聞くと「他の医師の処方は変更しづらい」「患者が薬を減らすことを嫌がる」「医師への処方提案が難しい」といった声が上がってきます。

 では実際にどの程度算定されているのか。今回は、薬剤総合評価調整加算の100床あたりの算定回数を指標に、ポリファーマシー対策への取り組み状況を検証します。