2018年5月15日火曜日

【2018年度診療報酬改定】短手3はDPC病棟、地域包括ケア病棟のどちらへの入院が収益上で有利か!? ①

 今改定において、DPC制度の見直しは入院料の評価体系とは異なり、抜本的な変更はありませんでした。しかし、短期滞在手術等基本料の見直しはまだ明確になっていない点があるといえ、今後の病床管理に影響を与える要因となりそうです。

■短手3の算定ルール見直し

 短期滞在手術等基本料の見直しにより、DPC病床を有する病院では、DPC制度による包括評価が優先され、短期滞在手術等基本料3(以下、短手3)を算定できないことになりました。従来制度ではどの病棟に入院しても短手3による算定でしたが、今後DPC対象病院ではこのルールが適用されなくなります。

 そこで疑問として湧くのが、DPC病棟と地域包括ケア病棟の両方を有する医療機関では、どちらの病棟に入院させることがベターかといった点です。特にプライマリー機能を持つ200床未満の病院では、地域包括ケア病棟で従来を上回る評価の施設基準が新設されました。

 今回は、短手3の対象である「K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満)」(以下、短手3 (K7211))を取り上げ、DPCと地域包括ケア、どちらの病棟での受入れる方が有利か検証します。

【分析対象】
診断群分類番号:060100xx01xx0x
診断群分類名称:小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 副傷病なし
手術:K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満)

【検証方法】
 2016年制度の短手3 (K7211)の点数14,314点を比較対象に、DPC病棟では医療機関別係数1.20、1.35、1.50の3パターンで検証します。DPC制度における出来高算定は当社の保有するデータを参考に5,500点とします。地域包括ケア病棟の点数は、地域包括ケア病棟入院料1、看護職員配置加算、看護補助者配置加算、在宅患者支援病床初期加算を算定した場合で計算します。いずれも新制度の点数を用い、転棟はしないものとします。



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