2015年7月21日火曜日

島根鳥取コンビニ問題

島根、鳥取に関する件、
今回はコンビニエンスストアの店舗数から考える
島根鳥取問題を検証していきます。

店舗数に関するデータは、
SMBCファイナンスサービス株式会社の
調査結果を利用させていただいております。
http://kb.smbc-fs.co.jp/service/pdf/conveni_pacglist.pdf

まずは島根、鳥取両県の実店舗数を見てみましょう。



2015年3月時点の店舗数は、
島根県が268店舗、鳥取県が226店舗。
実店舗の数では、島根県の方が多くなります。

次に店舗数おw会社ごとに見ていくと、
大手コンビニエンスストアのローソン、ファミリーマートについては、
島根、鳥取の両県でそれほどの差はありません。
しかし、
ここで特筆すべきはセブンイレブンの存在でしょう。
鳥取県のゼロに対して、
島根県には2015年3月時点で12店舗が営業しています。

私が島根にIターンした頃は
西部エリアに1店舗だけあると聞いていましたので、
この1~2年に大きな変化があったものと思われます。
ちなみにこの12店舗はいずれも、
浜田市、江津市といった島根県西部エリアです。
それゆえ鳥取県および島根県東部には
セブンイレブンが未進出という理解が的確になります。

たまたまネット上で見つけた
「都道府県格付研究所」というサイトによると
http://grading.jpn.org/DivSRH610504.html
2007年時点のコンビニエンスストア店舗数は
島根県が178事業所、鳥取県が164事業所となっています。

前述の通り、2015年3月時点の店舗数は
島根県が268事業所、鳥取県が226事業所ですので、
山陰地方のコンビニエンスストアは、
この7~8年で1.4~1.5倍に増加したことがわかります。

余談ですが、
セブンイレブンの進出していない県は青森県、鳥取県、沖縄県の3県。
セブンイレブン問題も、スタバ問題と同様に注目されます。

次に人口10万人あたりの店舗数のデータを作成しました。


ここでは比較対象に全国データも加えています。
まず全体を見た人口あたり店舗数では、
島根県3.87店舗、鳥取県3.96店舗で鳥取県が優性になります。

さらにグラフを見ると、
最初に目につくのが、ローソンではないでしょうか。
島根、鳥取ともに人口あたりのローソンの店舗数が、
全国と比較して多いことがわかります。
特に鳥取県に至っては、全国平均の倍の店舗数となっています。
山陰がいかにローソンリッチなエリアかがよくわかります。

またポプラ、その他の人口あたり店舗数は、
島根鳥取の地域特性を表したデータとなっています。
中国地方に多くの店舗を持つポプラは、
島根鳥取の両県ではファミリーマートに匹敵する店舗数があるものの、
全国的には少なく、ご当地コンビニであることがわかります。
一方で、全国と比較して顕著に少ないその他には
山陰地方に未進出のサークルK、サンクス、ミニストップなどが含まれており、
地域のコンビニ事情をうかがえる結果となっています。

島根鳥取問題として考えた場合、
人口あたりの店舗数という物理的優位に立つ鳥取県と
セブンイレブンの存在により精神的優位に立つ島根県という構図が見えてきます。

このパワーバランスが崩れる日が、いつ、どのように来るのか。
島根鳥取コンビニ問題、目が離せません。

2015年7月14日火曜日

島であり、鳥であるもの

昨日、日本エアコミューターの機内でもらったリーフレット。


JAC就航地クイズの4問目。
鹿児島県の県島で、JACのキャラクターの鳥は何か?

県の「しま」であり、キャラクターの「とり」。。。

そんな冬虫夏草のような生物がいるのだろうか?

誤字なのかなと思いつつも、色々と妄想してしまいました。

答えをみると、やっぱり誤字らしい
 JACの職員さんは気づいているのかな!?

こういう意味深な誤字はけっこう楽しい。

ちなみに答えは「ルリカケス」。


「島であり、鳥であるもの」と書いて思いつきましたが、
「島(根)であり、鳥(取)であるもの」が隠れたメッセージだったり。
その場合、答えは山陰地方か!?
 

2015年7月10日金曜日

クリニックばんぶう 2015年7月号

クリニックばんぶう2015年7月号(日本医療企画)に
私の拙稿が掲載されています。

タイトルは
「NPO・行政・地域住民・医療機関一体となった過疎地域の創生」


島根県雲南市の地域自主組織による
医療、福祉関係の取り組み事例を紹介しています。

前編、後編となっており、8月号に後編が掲載される予定です。

後編では、
うんなん医療見学ツアー、訪問看護ステーションコミケアの取り組みについて
書かせてもらっています。

2015年7月7日火曜日

サワガニと島根

雨上がりの朝、自宅を出て3歩目で発見。



危うく踏み潰すところでした…。我が家の前は河辺ではないぞ!
近くに水路と田んぼは沢山ありますが。

せっかくなのでスマホのカメラを向けると、
興奮気味に両手でピースサイン。
撮影への協力をありがとうございます。

朝から道端のサワガニと戯れるようなことは、
都心ではまずあり得ない出来事。
23区内でサワガニを飲食店か魚屋以外で見つけることは、きっと至難の業でしょう。

子供の頃、何度も飼っては全滅させていたサワガニ。
こうして出会うと、とても癒されます。やはり自然環境下が一番ですね。

そういえば、
1~2年前に出雲市内の道端でもサワガニを見つけました。時間帯は深夜。
近くには排水溝ぐらいしかなく、
一体どこから出てきたのか、かなり不思議でしたが。
古いフォルダにそのときの写真があったので、
せっかくなのでアップします(ピンボケでごめんなさい)。


よく見ると殻の色がだいぶ違いますね。
色の違いに疑問をもったので軽く検索してみました。

Wikipedia先生によると、
孵化時の体色は全て淡黄褐色で成長に伴い体色が変化していく。
また、体色変異は照度、餌、底質の色などの生息環境の要因左右されるとされているが
十分に解明されていない。
1989年に鹿児島県で調査を行った鈴木廣志、津田英治らの報告によれば、
14mmまでの個体はほぼ茶色型で、
二次性徴が発現する時期の甲幅が14mm以上になると
青色型もしくは赤色型の体色を呈するようになることが明らかにされた。

とのこと。全く知りませんでした。勉強になります。

そんなわけで、
島根に住み始めてからアスファルトの上でも、
サワガニと出会う機会が増えたことを報告いたします。

鈴木 廣志、津田 英治:鹿児島県におけるサワガニの体色変異とその分布
     日本ベントス学会誌 Vol.1991 (1991) No.41 P37-46,  
     JOI:JST.Journalarchive/benthos1990/1991.41_37

2015年7月3日金曜日

島根が鳥取に逆転される日

先日書いた島根と鳥取の人口に関する件
島根の方々に意外に好評だったので続きを。

今回は国勢調査の資料を基に、
島根、鳥取両県の1920年以降の人口推移のグラフを作成しました。



終戦後に人口が急激に増加するものの、
程なくした1955年(昭和30年)頃にピークを迎えて減少を始めます。
高度経済成長の昭和40年代には再び増加傾向になりますが、
昭和60年頃を境に再び減少を始め、今に至ります。
 
日本全体の人口減少が始まったのが、
ここ5年ぐらいになりますので、
20年早く少子高齢化の道を歩み始めていることが伺えます。

しかし、島根鳥取を比較するうえで、見逃せない事実がありました。
先日のブログでも指摘した
島根県と鳥取県の人口の差が年々縮まっているという事実です。
人口変動のトレンドは似ているものの、
減少幅は鳥取の方が常に少ないまま推移しています。

人口が減少しているという点は多くの県民が理解していますが、
島根県と鳥取県の人口差が縮小傾向にあったということを知っている方は、
まだ少ないのではないでしょうか。
 
では将来予測はどうなっているでしょうか。
そこで国立社会保障・人口問題研究所の公表しているデータを利用して、
2040年までの人口予測のグラフを作成しました。


やはり今後も人口の差は縮小する傾向にあります。
上記の試算では、
5年後ごとに1.7万人ずつ、差が縮まっていきます。
当然ながら差が縮まり続ければ、いつか逆転する日が来ます。

仮に同じペースで両県の人口の差が縮まる場合、
2065年頃に鳥取県の島根県の人口が逆転する事態が発生します。

日本全体にとってもは小さな問題ですが、
島根、鳥取を愛する者にとってはこれは大変な問題です。
特に人口が抜かれる島根県民にとっては軽視できない問題でないでしょうか。

日本全体は2025年問題に揺れていますが、
高齢者数が既にピークを迎えてつつある両県にとっては、
こちらの方がある意味、インパクトの強い問題かもしれません。

鳥取県と言えば、言わずと知れた人口最下位県。
東日本に住んでいた当時の私にも、
人口が47都道府県中、47番目の県としてちゃんとインプットされていました。

人口の多さ勝負では、常に優位を保っていた島根県が、
鳥取県に抜かれるという事態が本当に起きてしまった場合、
島根県民の心理はいったい如何なものでしょうか。
それは鳥取県が長年その座を譲らなかった、
47都道府県で最も人口の少ない県になることを意味します。
 
屈辱か、絶望か、それとも新たな自虐ネタに歓喜するのか。

人口が少ない地域に住むものにとって、
ライバルと比較して人口が多いか、少ないかは、
どうでも良いと思いながらも、そこそこ気になってしまう問題。
市民が町民、村民に対して、実態のない優位な気持ちに、
村民が市民、町民になんとなく負けた気持ちになってしまうのと同様です。

50年後に控える山陰の大事件。

 当ブログでは勝手ながらこの事態を
「島根鳥取2065年問題」と名付けたいと思います。
 

2015年7月1日水曜日

訪問看護ステーション コミケア 

本日、訪問看護ステーションコミケアがオープンしました。

雲南市内で唯一の独立型の訪問看護ステーションです。
スタッフは全員U・Iターン者で、看護師の平均年齢は29歳。
おそらく中国地方では最も若い訪問看護ステーションだと思います。


コミケアはコミュニティケアの略。
「たくさんの幸せな瞬間をプロデュースする」を理念に、
地域をケアするという意味を込めて名付けています。

研修を受け入れてくれた訪問看護事業所の皆様、
事務所の修繕等を手伝ってくれたボランティアの皆様、
快く住宅を貸してくれた水津様、尾野くん、
ノウハウ提供をしてくれた川添さん、岩本さんをはじめケアプロの皆様、
その他、地域、行政など、
多くの皆様のご支援のお蔭で本日を迎えることができました。

3名の看護師はオープン初日にもかかわらず、
朝早くから地域を走り回っています。
主な営業エリアは雲南市の三刀屋町、掛合町。
エリア面積が約190平方Kmと非常に広く、
これまでも訪問看護事業者が手を出しては、撤退していった地区。
同地域の高齢化率は高く、
患者自身が希望しても受け皿がないために
在宅に移行できない事例も発生しています。
3名の看護師は、
たとえ中山間地域であっても持続可能なヘルスケアシステムを実現したいと考え、
この地で挑戦することを決めました。

経営にあたりハンデはありますが、
若い力でフットワーク良く対応していきます。

【訪問看護ステーションコミケア】
  島根県雲南市三刀屋町三刀屋1065
  電話:0854-47-7215  
 (電話番号は「親子よ、幸せなナースに行こう」です) 

【追加情報】
コミケアのオープンまでの取り組み等に関しては
『クリニックばんぶう』015年8月号』に寄稿しています。