2019年1月4日金曜日

湿布薬の処方量制限は、全体の使用量にどのような影響を与えたか!? ①

 外来患者への湿布薬には、1処方あたり「70枚まで」という枚数制限ルールがあります。これは2016年度診療報酬改定において、通則に追加されました。やむを得ない場合は70枚を超えて投薬することも可能ですが、その理由を処方せん及びレセプトに記載する必要になりました。加えて、処方せん及びレセプトに、投薬全量と1日分用量もしくは何日分に相当するか記載することになり、それ以前と比較して70枚を超える処方は難しくなりました。

 当社クライアントのA病院においても、ルール変更前は、湿布薬が処方されていた外来患者の2割近くで、1処方あたり70枚を超える量が処方されていました。しかし、変更後の処方状況を確認したところ、1処方で51~70枚だった割合が2割弱増加し、71枚以上の処方があったケースは1%程度まで減少しました。

 湿布薬は残薬になりやすい薬剤の1つであり、医薬品の適正使用推進の観点からも、必要以上の処方が制限されることは致し方ないと言えます。では、1回の処方量の制限をルール化したことで、1処方ではなく、国内全体の処方量として実際にどの程度の影響があったか検証します。






投薬 通則
 5 入院中の患者以外の患者に対して、1処方 につき70枚を超えて湿布薬を投薬した場合 は、区分番号F000に掲げる調剤料、区分番号F100に掲げる処方料、区分番号F200に掲げる薬剤(当該超過分に係る薬剤料に限る。)、区分番号F400に掲げる処方箋料及び区分番号F500に掲げる調剤技術基本料は、算定しない。ただし、医師が疾患の特性等により必要性があると判断し、やむを得ず70枚を超えて投薬する場合には、その理由を処方箋及び診療報酬明細書に記載することで算定可能とする。