2015年7月3日金曜日

島根が鳥取に逆転される日

先日書いた島根と鳥取の人口に関する件
島根の方々に意外に好評だったので続きを。

今回は国勢調査の資料を基に、
島根、鳥取両県の1920年以降の人口推移のグラフを作成しました。



終戦後に人口が急激に増加するものの、
程なくした1955年(昭和30年)頃にピークを迎えて減少を始めます。
高度経済成長の昭和40年代には再び増加傾向になりますが、
昭和60年頃を境に再び減少を始め、今に至ります。
 
日本全体の人口減少が始まったのが、
ここ5年ぐらいになりますので、
20年早く少子高齢化の道を歩み始めていることが伺えます。

しかし、島根鳥取を比較するうえで、見逃せない事実がありました。
先日のブログでも指摘した
島根県と鳥取県の人口の差が年々縮まっているという事実です。
人口変動のトレンドは似ているものの、
減少幅は鳥取の方が常に少ないまま推移しています。

人口が減少しているという点は多くの県民が理解していますが、
島根県と鳥取県の人口差が縮小傾向にあったということを知っている方は、
まだ少ないのではないでしょうか。
 
では将来予測はどうなっているでしょうか。
そこで国立社会保障・人口問題研究所の公表しているデータを利用して、
2040年までの人口予測のグラフを作成しました。


やはり今後も人口の差は縮小する傾向にあります。
上記の試算では、
5年後ごとに1.7万人ずつ、差が縮まっていきます。
当然ながら差が縮まり続ければ、いつか逆転する日が来ます。

仮に同じペースで両県の人口の差が縮まる場合、
2065年頃に鳥取県の島根県の人口が逆転する事態が発生します。

日本全体にとってもは小さな問題ですが、
島根、鳥取を愛する者にとってはこれは大変な問題です。
特に人口が抜かれる島根県民にとっては軽視できない問題でないでしょうか。

日本全体は2025年問題に揺れていますが、
高齢者数が既にピークを迎えてつつある両県にとっては、
こちらの方がある意味、インパクトの強い問題かもしれません。

鳥取県と言えば、言わずと知れた人口最下位県。
東日本に住んでいた当時の私にも、
人口が47都道府県中、47番目の県としてちゃんとインプットされていました。

人口の多さ勝負では、常に優位を保っていた島根県が、
鳥取県に抜かれるという事態が本当に起きてしまった場合、
島根県民の心理はいったい如何なものでしょうか。
それは鳥取県が長年その座を譲らなかった、
47都道府県で最も人口の少ない県になることを意味します。
 
屈辱か、絶望か、それとも新たな自虐ネタに歓喜するのか。

人口が少ない地域に住むものにとって、
ライバルと比較して人口が多いか、少ないかは、
どうでも良いと思いながらも、そこそこ気になってしまう問題。
市民が町民、村民に対して、実態のない優位な気持ちに、
村民が市民、町民になんとなく負けた気持ちになってしまうのと同様です。

50年後に控える山陰の大事件。

 当ブログでは勝手ながらこの事態を
「島根鳥取2065年問題」と名付けたいと思います。