2015年9月9日水曜日

地域から必要とされる薬局 -徳島県美馬市-

徳島県美馬市木屋平にある
こやだいら薬局を見学させてもらいました。


木屋平は美馬市の市街から、
山道を車で1時間近く走らせた先にある集落。
かつては林業で栄えた街で、
最盛期は6,000人が住んでいたそうですが、
いまは人口721人、404世帯、高齢化率57.1%。
一般的に言われる限界集落です。




こやだいら薬局の話は以前に聞いたことがあり、
7月のうんなん医療見学ツアーに、
同薬局に勤務する先生がご参加いただいたことをきっかけに
薬局と薬剤師の先生方の取り組みを知りたく、
(無理に?)お願いして今回見学させてもらいました。

個人の感想として、こやだいら薬局の特徴は
薬剤師が調剤室の中にこもるのではなく、
地域に積極的入っていく姿勢にあるように思いました。

調剤報酬がつくから患者宅に訪問するのではなく、
その方の薬剤管理に必要だから、
調剤報酬に関係なく訪問して様子を伺うという点は印象的でした。
もちろんそれは患者さん、地域との信頼関係があって成り立つものです。

本来の「かかりつけ薬局」とは、
そういうものだと改めて知らされた気がします。
そして理屈だけでなく、実際に取り組んでいることが素晴らしいです。

その他、患者さんの様子を毎日見るために
診療所スタッフ、行政の保健師さん、
駐在所のお巡りさん、ヘルパーさんなどが、
それぞれの訪問スケジュールを共有している点、
ご近所さんも巻き込んで独居高齢者の薬剤管理をしている点、
車で30分以上かかるような離れた離れた集落への配達など、
勉強になること、刺激を受けることが多々ありました。

以前に訪問させていただいた長野県上田市もそうでしたが、
調剤報酬があるから行うのではなく、
地域にとって、患者さんにとって必要だから行うという姿勢が、
まちの薬局としての存在意義を示していたように思います。