2019年7月8日月曜日

病院薬剤部を取り巻く果てなき抗争 ①


薬剤部門(※1)へのコンサルティング依頼は、
薬剤部からではなく、事務部か看護部からの要請で入ってくることが大半です。

※1 薬剤部門は病院によって薬剤部、薬剤科、薬剤課など、呼称は様々。
   ここでは薬剤部で統一します。

経営管理を行う事務部からの依頼というのはともかく、
看護部から薬剤部への介入依頼が来るというのは少し意外かもしれませんが、
私にとっては「あるある」な話です。

そして要請されるときの各部署の主張も、
比較的パターン化されています。

事務部の主張
・薬剤管理指導料の件数を増やして欲しい
・病棟薬剤業務実施加算をなぜ算定できないのか?
・「人が足りない」というが、業務に無駄が多いのではないか?

看護部の主張
・薬剤師には病棟にもっと上がってきて欲しい
・薬のことは、出来るだけ(すべて?)薬剤師に任せたい
・病棟薬剤業務をしていると言うが、病棟で薬剤師の姿を見かけない

薬剤部の主張
・病棟に薬剤師を常駐配置したいが、人手が足りない
・日々の調剤業務をやらないわけにはいかない
・今でも目一杯なので、これ以上仕事を増やさないで欲しい


その結果、多くの病院で見かける構図は、

「マンパワー不足に悩む薬剤部」 
        VS
「業務負荷を減らしたい看護部」
「収益を増やしたい事務部」

という1対2変則デスマッチのような対立構図。





看護部と事務部はそもそもの理由こそ違うものの、
薬剤師がもっと病棟業務に携わって欲しいという主張は一致しており、
手を組んで薬剤部にプレッシャーをかけてきます。

では薬剤部、薬剤師が普段から手を抜いた仕事をしているかというと、
多くの場合決してそんなことはなく、むしろストイックに働いていたりします。

それなのに、なぜこのような対立構図が生まれてしまうのでしょうか?


続き:病院薬剤部を取り巻く果てなき抗争 ②(7月中旬頃公開)