2019年3月13日水曜日

効率性係数を考える② 効率性係数と転棟率・病床回転率の関係

今回は、広島県を分析対象エリアに取り上げ、中医協のDPC評価分科会が公表する「平成28年度DPC導入の影響評価に係る調査「退院患者調査」の結果報告について」(以下、公開データ)を用い、各医療機関の転棟率、病床回転率と効率性係数(2017年度)の関係を検証しました。

図は、縦軸に医療機関ごとの効率性係数を、横軸に公開データに示された転棟率もしくは病床回転率をプロットしたものです。病床回転率は、一般病棟への年間入院患者数を一般病床数(DPC対象病床数)で割った値です。

まず転棟率と効率性係数の関係(図1)を見ると、転棟率が高くても、効率性係数は高くないことがわかります。転棟率が30%を超えていても、効率性係数は高くなく、むしろ転棟率が高いほど、効率性係数は低下する傾向がありました。

DPC病院が効率性係数を上げるための手段として、地域包括ケア病棟をはじめとした他病棟への転棟が挙げられますが、単に転棟すれば良いというわけではないようです。


一方、病床回転率と効率性係数の関係(図2)では、病床回転率が高いほど、効率性係数は上がっていく傾向があることがわかります。

これらをまとめると、急性期病院はベッドをいかに回転させるかが重要であることを示唆しています。

DPC





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